米国高配当株は「投資の第二の柱」
今回は、私が“投資の第二の柱”として重視している「米国高配当株」についてご紹介します。
メインはインデックス投資を続けつつも、キャッシュフロー(定期的な収入)を得る手段として高配当株投資を取り入れています。その中でも、米国の高配当ETFは非常に魅力的な選択肢です。
米国高配当株を取り入れている理由
キャッシュフローが欲しい
インデックスを定率で定期売却してキャッシュフローを得ることもできますが、株価が低
迷している局面で売却するのは精神的な負担になります。
その点、配当なら保有株数を減らさずに現金を受け取れるので、ストレスが少ないです。
分散投資が可能
米国には数十~数百社への高配当株をまとめたETFや投資信託が充実しており、個別株の
ように一つ一つ業績チェックをする手間も不要です。初心者にも扱いやすく、手間をかけ
ずに分散投資が可能です。
増配による配当成長が期待できる
米国企業は配当を継続的に増やす文化が根付いており、ETFや投資信託によっては保有し
ているだけで配当金額が年々増加していくこともあります。
インカム+キャピタルの“二刀流”が狙える
高配当株といえど、価格上昇によるキャピタルゲインが期待できる銘柄も多数存在しま
す。過去の実績でも、配当だけでなく株価・基準価額も上昇しているものも多いです。
こうした理由から、私は高配当投資を「キャシュフロー収益源」として活用しています。
では、数ある高配当投資の中でも特に人気のある「VYM」「SCHD」「HDV」「SPYD」について、詳しく比較していきましょう。
各ETFの基本比較
ETF | 経費率 | 配当利回り(目安) | 銘柄数 | 主要セクター(上位3つ) |
VYM:バンガード 設定日:2006年11月10日 | 0.06% | 約3.0% | 約590 | 金融、ヘルスケア、工業 |
SCHD:シュワブ 設定日:2011年10月20日 | 0.06% | 約4.0% | 約100 | エネルギー、生活必需品、ヘルスケア |
HDV:ブラックロック 設定日:2011年3月29日 | 0.08% | 約3.6% | 約75 | エネルギー、生活必需品、ヘルスケア |
SPYD:ステート・ストリート 設定日:2015年10月21日 | 0.07% | 約4.6% | 80 | 不動産、公益事業、生活必需品 |
ETFごとの詳細分析
1.VYM:バンガード・米国高配当株式ETF
セクター構成
金融(約20%)、ヘルスケア(約14%)、工業(約13%)など。
特徴
・幅広い業種に分散されており、安定感抜群。
・配当利回りは控えめだが、値動きも比較的穏やか。
・長期的には、株価も上昇傾向

2.SCHD:シュワブ・米国配当株式ETF
セクター構成
エネルギー(約21%)、生活必需品(約19%)、ヘルスケア(約16%)など。
特徴
・成長性と配当の両立を重視した構成。
・財務指標に基づいて優良企業を選定。
・増配率は、過去10年間で年平均11%と高い。
・長期的には、株価も上昇傾向
※SCHDのETFは、現時点日本では購入できる証券会社は探せませんでした

3.HDV:iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF
セクター構成
エネルギー(約22%)、生活必需品(約21%)、ヘルスケア(約17%)、など。
特徴
・ディフェンシブセクターが多く、景気に強い。
・財務の健全性を重視した選定プロセス。
・長期的には、株価も上昇傾向

4.SPYD:ポートフォリオ S&P500 高配当株式 ETF
セクター構成
不動産(約23%)、公益事業(約18%)、生活必需品(約15%)、など。
特徴
・REITが多めで変動は大きい。
・均等加重で80社に分散。
・配当利回りは非常に高いが、減配リスクも注意。

投資スタイル別おすすめETF
投資スタイル | おすすめETF | 理由 |
安定第一で分散重視 | VYM | 幅広いセクター分散でリスク分散。配当も堅実に受け取れる |
成長+配当のバランス重視 | SCHD | 増配傾向も強く、財務優良な企業に効率的な投資が可能 |
守り重視・ディフェンシブ | HDV | 減配リスクを抑えつつ、安定配当を得たい人に最適 |
配当特化で高利回り狙い | SPYD | 高配当を狙いたいインカム投資家向け。ややハイリスクハイリターン傾向 |
高配当ETFを選ぶ際は、利回りだけでなく、特徴にも注目することが重要です。
同じ「高配当ETF」でも、それぞれ投資対象が異なり、リスクやパフォーマンスに違いが出てきます。
目的に合ったETFを選び、必要に応じて組み合わせることで、よりバランスの取れた投資が可能になります!
米国高配当ETFに連動する日本の投資信託とは?
米国高配当ETFに魅力を感じつつも、「ETFはドル建てで買うのが不安…」「配当金をドルで受け取っても、使用する時に円に換えないとならない」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方にぴったりなのが、米国ETFに連動した日本の投資信託です。ここでは、代表的な高配当ETFである VYM、SCHD、HDV、SPYD に連動・類似する投資信託と、それぞれの信託報酬や取り扱い証券会社(楽天証券とSBI証券)について調査してみました。
1.VYMに連動
バンガードの「VYM(米国高配当株ETF)」に連動しているのは楽天とSBIそれぞれから連動ファンドが出ております。「楽天・高配当株式・米国VYMファンド(四半期決算型)」「SBI-SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」です。
「楽天・高配当株式・米国VYMファンド(四半期決算型)」
- 信託報酬:年率0.192%程度
- 決算頻度:年4回(1月・4月・7月・10月)
- 取扱証券会社:楽天証券
「SBI-SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」
- 信託報酬:年率0.1238%程度
- 決算頻度:年4回(2月・5月・8月・11月)
- 取扱証券会社:SBI証券
2.SCHDに連動
次に最近注目されているSCHD。こちらも、楽天とSBIそれぞれから連動ファンドが出ています。
※SCHDのETFは、現時点日本では購入できる証券会社は探せませんでした。よって、購入
する際は、SCHDに連動した投資信託での取り扱いとなります。
「楽天・高配当株式・米国ファンド」
- 信託報酬:年率0.192%(→2025年5月から0.1238%に引き下げ予定!)
- 決算頻度:年4回(2月・5月・8月・11月)
- 取扱証券会社:楽天証券
「SBI・S・米国高配当株式ファンド」
- 信託報酬:年率0.1238%
- 決算頻度:年4回(3月・6月・9月・12月)
- 取扱証券会社:SBI証券
3.HDV/SPYDに連動する国内投信は「なし」
残念ながら、HDVやSPYDに直接連動した日本国内の投資信託は、2025年4月時点では見つかりませんでした。
ただし、ETFそのものは、米国株を取り扱っている証券会社で購入可能です。
私の投資戦略
私は、現在「VYM」「SCHD(に連動した投資信託)」「HDV」「SPYD」のすべてを保有しています。それぞれ特長がありひとつに選べなかったこと、および分散投資の観点からも全てを保有しています。
2024年の新しいNISA制度における成長投資枠では、VYMのETFを購入しました。安定した分配金と増配傾向、広範な米国株への分散投資、株価も上昇傾向が決め手でした。
そして2025年の成長投資枠では、SCHDに連動する投資信託を定額で積立購入しています。決め手は、増配率が高いことと、株価自体にも将来性を感じているからです。
これからも高配当ETFやそれに連動する投資信託をうまく活用しながら、キャッシュフローの安定化を目指していきたいと考えています。