5月6日付の日本経済新聞に掲載された記事「人生100年『老活』で怖くない」を読んで、大きくうなずく場面がいくつもありました。この記事では、生物学的年齢の測定や、「終活」ではなく「老活」を重視する生き方、そして話題の書籍『DIE WITH ZERO』に通じるお金の使い方が紹介されていました。まさに、これからの人生設計に大きなヒントを与えてくれる内容でした。
生物学年齢という新しい物差し
記事の中で紹介されていたのは、血液から得られる遺伝子情報をもとに「生物学的年齢」を測る検査。これは、食生活や運動、飲酒などの日々の積み重ねが年齢にどう影響しているかを“見える化”してくれるものです。記事の男性は、実年齢63歳に対し、生物学年齢は57歳。日本人男性の健康寿命が72歳とされる中で、「自分はあと9年」ではなく、「あと15年健康でいられる」と考えることで、人生設計そのものが変わったと言います。
これを読んで、私も自分の生活習慣を見直したくなりました。漠然とした「年を取ったら…」という不安に対して、こうした科学的な指標があることで、前向きな選択ができるのではないかと思います。
終活より「老活」
日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳。しかし、健康寿命はそれぞれ72歳と75歳です。この10年前後の“健康でない期間”をいかに短くできるかが、人生の充実度を大きく左右します。
終活という言葉が定着していますが、もっと大切なのは「老活」。つまり、健康な老後をどう過ごすか、どう備えるかではないでしょうか。医療の進歩も進み、ただ長生きするだけでなく、「どう元気に生きるか」が問われる時代です。
資産ゼロで死ぬという選択
記事では、54万部を超えるベストセラー『DIE WITH ZERO』の実践者も紹介されていました。将来の生活資金を綿密にシミュレーションしたうえで、趣味などへの消費を楽しむ姿勢。著者ビル・パーキンス氏の言葉「私たちが一番恐れるべきは、人生と時間を無駄にしてしまうことだ」は、心に深く刺さります。
「老後のためにとっておこう」と思うあまり、経験できたはずのことを我慢してしまう。そんな生き方が、本当に「もったいない」のかもしれません。
健康である時間をどう使うか。どんな体験にお金と時間を投じるか。それが、これからの私たちにとって最も大切な問いになってくる気がします。
医療の進歩があるとはいえ、未来がどうなるかは分かりません。だからこそ、今を大切に、健康寿命を延ばしながら、価値ある経験に消費していきたい。そんなふうに思いました。
みなさんは、どう生き切りますか?