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【住宅ローン控除と繰上返済】本当に返すべき?金利上昇リスクもふまえて解説!

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みなさん、こんにちは。
マイホームを購入してローンを組んだとき、多くの人が活用する「住宅ローン控除」。これは、ローン残高に応じて所得税や住民税が軽減される、とてもありがたい制度です。

ですが、ふとこんな疑問がよぎることもありませんか?

「ローンは利息がつくから、早く繰上返済した方が得なんじゃないの?」

結論から言うと、「ケースバイケース」です。でも安心してください。この記事を読めば、自分にとって繰上返済が得かどうか、そしてこれからの金利動向への備えも、しっかり判断できるようになります。


住宅ローン控除ってどういう制度?

まずは制度の基本をおさらいしておきましょう。

住宅ローン控除(正式には「住宅借入金等特別控除」)は、年末のローン残高の0.7%を上限に、最大13年間にわたって所得税や住民税から控除される制度です。

たとえば、年末時点での住宅ローン残高が3,000万円だとすると…

3,000万円 × 0.7% = 年間21万円

この21万円が、その年に支払う税金から差し引かれます。つまり、実質的に0.7%の“補助金”を受けているような状態になるのです。


金利と控除率の関係を知ろう

ここでポイントになるのが、「実際の住宅ローン金利」と「控除率(0.7%)」の関係です。

考え方はシンプルです。

実質の利息負担 = 金利 − 住宅ローン控除率(0.7%)

▼ たとえば…

  • ローン金利:1.0%
  • 控除率:0.7%
  • 実質の利息負担:1.0% − 0.7% = 0.3%

つまり、実質的に0.3%の金利でお金を借りていることになります。この場合、繰上返済せずに資金を他の目的に回す方が得になるケースもあります。

しかも最近では、変動金利が0.6%を切るような超低金利ローンも。そんな場合は実質的に「お金を借りながら利益が出る」なんてことも起こりえます。


でも、繰上返済が有利になるケースもある

もちろん、「住宅ローン控除があるから繰上返済しなくていい」と単純には言えません。以下のようなケースでは、むしろ繰上返済を積極的に検討すべきです。

✔ 金利が高い

控除が0.7%あっても、残りの金利分が重くのしかかってきます。利息負担を減らすためには、返済によって元本を減らすのが有効です。

✔ 控除期間が終わりそう or 終わっている

住宅ローン控除の恩恵は最長13年。期間が終わると、単なるローンとしての負担だけが残ります。この場合は繰上返済を検討した方がよいです。

✔ 税金が少なくて控除を使い切れていない

年収が低い、あるいは扶養が多いなどで所得税・住民税が少ないと、そもそも控除を受けきれないことも。その場合、制度の恩恵は小さくなります。


今後の金利上昇にも注意が必要!

さらに、最近注目されているのが日本の金利上昇リスクです。

長らく続いた超低金利政策が、2024年ごろから見直されつつあり、今後は住宅ローン金利も上がっていく可能性があります。特に変動金利で借りている人は要注意です。

▼ 金利上昇時のリスクと対策

  • 月々の返済額が増える可能性がある
  • 借入当初の「低金利メリット」が消える
  • 固定金利への借り換えを検討するタイミングが来るかも
  • 繰上返済が「金利上昇に備える手段」になる

いまは実質負担が低くても、将来的には負担が増える可能性がある。こうした「長期的な目線」も、住宅ローンの返済戦略には欠かせません。


結局、どう判断すればいい?

繰上返済するかどうかは、次の3点を見れば大体の判断ができます。

チェック項目ポイント
金利は0.7%以上?はい
→ 負担が大きく繰上返済の検討余地あり
控除をフルに活用できている?いいえ
→ 控除の恩恵が薄く、返済のメリットが大きくなる
控除期間は残っている?いいえ
→ 控除の恩恵が終了し、返済メリットが増す

まとめ|節税と返済のバランスを見極めよう

住宅ローン控除は強力な節税制度。でも、常にそのまま借り続けるのが正解とは限りません。

  • 📌 低金利かつ控除をフル活用できているなら、慌てて返さなくてもOK
  • 📌 金利上昇や控除の終了が見えてきたら、繰上返済で備える

マイホームは人生の大きな買い物。住宅ローンもただの「借金」ではなく、制度をうまく活用すれば味方になります。

これからの金利動向も見据えて、自分に合った返済戦略を立てていきましょう!

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Kiyoppi
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こんにちは!「50代からのセミリタイヤ生活!」へようこそ。 金融系システムエンジニアとして、長年忙しい会社員生活を送ってきました。仕事に追われる毎日を過ごしていたためお金を使う時間がほとんどなかったこと、また自分では意識していなかったものの節約志向が高かったこと、加えて20代から行ってきた株式投資での幸運もあったことから一定程度の資産を築くことが出来ました。 50代半ばを迎え、もう少し自分や家族のための自由な時間を持ちたいという思いから定年前に会社員をやめ、現在は個人事業主としてゆるめにお仕事を行っております。 ここでは、実際にセミリタイヤ生活を始めた私が、実践してきた節約・投資のノウハウや、セミリタイヤ後の生活について発信してきたいと思います。 ※投資は自己責任です。ご自身で責任をもってご判断をお願いします。
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