みなさん、こんにちは。
最近、「日銀が利上げに踏み切るのでは?」「アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを見送った」といったニュースをよく見かけますよね。こうした金利の動きは、私たちの資産運用にとっても無関係ではありません。
今回は、「金利と株価の関係」について、初心者の方にもわかりやすく整理してみました。
金利とは? お金の「時間の価値」を表すもの
まず、そもそも金利とは何でしょうか?
金利とは、お金を貸し借りする際に発生する利息(または利子)の割合のことです。
・銀行にお金を預けると利子が付きます
・住宅ローンなどでお金を借りると、利息を支払う必要があります
この利子・利息の割合が「金利」です。つまり、お金の「時間の価値」を数値化したものと言えるでしょう。
金利と株価の関係は「逆相関」
一般的に「金利と株価は逆の動きをする」といわれており、これを「逆相関」と呼びます。
つまり、
- 金利が下がると株価は上がりやすい
- 金利が上がると株価は下がりやすい
という傾向があります。
なぜこのような関係があるのでしょうか?
企業側と投資家側、それぞれの立場から説明していきます。
金利が下がると株価は上昇しやすい
金利が下がると、株価は上昇しやすいです。
- 企業にとって:資金調達がしやすくなる
金利が低いと、企業が銀行から資金を借りる際の利息負担が軽くなります。
その結果:
・設備投資や新規事業に使える資金が増える
・業績拡大につながる
・将来の利益への期待から、株価も上がりやすくなる - 投資家にとって:リスクを取る動機が高まる
金利が低いと、預金の利息がわずかしか付かず、「このまま預けていても増えない」という不満が出てきます。
その結果:
・預貯金よりも、リターンが期待できる株式投資へ資金が移動
・株式市場にお金が流れ込みやすくなり、株価を押し上げる要因に
金利が上がると株価は下落しやすい
金利が上がると、株価は下落しやすいです。
- 企業にとって:借入コストの上昇
金利が上がると、企業が借りるお金の利息が増え、資金調達が難しくなります。
その結果:
・設備投資や人材採用が控えられる
・事業拡大のペースが鈍化
・将来の収益見通しが悪化し、株価も下がりやすくなる - 投資家にとって:安全資産に回帰しやすい
金利が上がると、銀行預金や債券などの安全資産の利回りが上昇します。
その結果:
・株式よりもリスクの少ない預金や債券に資金が流れる
・株式市場から資金が抜け、株価も下がりやすくなる
新興企業と成熟企業で金利の影響は異なる
金利の影響度合いは、企業の成長段階によっても異なります。
- 新興企業は、まだ成長過程にあり、事業拡大のために多くの資金が必要です。そのため、金利上昇の影響を大きく受けやすく、株価も敏感に反応します。
- 成熟企業は、既に安定した収益基盤を持っているため、相対的に金利の変動による影響は小さいといえます。
米国と日本、それぞれの金利動向
現在のところ、米国はトランプ関税の影響などで先行きが読みづらい状況にありますが、全体的には金利が今後下がっていく可能性が指摘されています。
一方、日本ではこれまで長く続いてきた低金利政策が見直されつつあり、今後は徐々に金利が上がっていくとの見方もあります。
ただし、金利の変動幅や時期、そのときの状況、日銀やFRBの発表方法などによって、市場への影響度が大きく異なります。だからこそ、今後の動向には引き続き注目していきたいと思っています。
それらを踏まえた私の投資方針は…
とはいえ、以前の記事(私の投資戦略 インデックスの長期定額積立)でも書いたように、私は金利の動向に一喜一憂せず、「インデックス投資の長期定額積立」は淡々と継続していく方針です。
経済の変化を注視しつつも、長期目線でコツコツと積み上げる投資を続けていきたいと考えています。