みなさん、こんにちは。
以前、米国の代表的な高配当ETFである「VYM」「SCHD」「HDV」「SPYD」について比較記事を公開しました。
👉 【徹底比較】VYM・SCHD・HDV・SPYDの違いとは? 特徴・セクター構成も解説!
今回はその中でも、高い配当利回りが魅力のSPYDにスポットを当てて詳しく紹介します。
高配当株投資の魅力を改めて振り返る
私が高配当ETFをポートフォリオに取り入れている理由は主に以下の4点です。
1. キャッシュフローの安定確保
インデックス投資の取り崩しも手法の一つですが、下落相場で資産を売却するのは精神的にストレスが大きいもの。その点、配当収入なら保有株数を減らさずに現金収入が得られます。
2. 手間のかからない分散投資
米国ETFは数十〜数百銘柄に分散されており、個別株のように頻繁なチェックは不要。初心者でも手軽に分散効果が得られるのが大きな魅力です。
3. 増配による収益成長も期待できる
米国企業には「毎年少しずつでも配当を増やす」文化が根付いています。長期保有で配当が増えていく可能性があるのもメリット。
4. インカム+キャピタルの“二刀流”
高配当ETFでも、配当+値上がり益(キャピタルゲイン)を狙える銘柄は少なくありません。長期的に見ると、配当だけでなく株価も右肩上がりのケースも多いです。
こうした理由から、私は高配当ETFを定期的なキャッシュフロー源として活用しています。
SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)とは?
SPYDは、S&P500構成銘柄の中から配当利回りが高い80社に均等分散投資するETFです。
運用会社は、ETFの草分け的存在である「State Street(ステート・ストリート)」。
基本情報 | 内容 |
---|---|
ティッカー | SPYD |
設定日 | 2015年10月21日 |
ベンチマーク | S&P 500 High Dividend Index |
配当頻度 | 年4回(3・6・9・12月) |
経費率 | 0.07%(非常に低コスト) |
SPYDの株価推移と現在の水準
まずは、SPYDの株価チャートを確認してみましょう。
以下は過去数年間の株価推移を示したグラフです(※2025年5月時点)。

全体的には右肩上がりですが、他の高配当ETFと比較すると変動幅は大きいです。配当利回りは、4%弱〜5%の水準を維持した動きを見せています。
年度 | 年間配当金(1株あたり) | 年末株価(参考) | 配当利回り(年末時点) |
---|---|---|---|
2020 | $1.633 | $32.94 | 約4.95% |
2021 | $1.55 | $42.05 | 約3.68% |
2022 | $1.983 | $39.58 | 約5.01% |
2023 | $1.827 | $39.19 | 約4.66% |
2024 | $1.864 | $43.24 | 約4.31% |
2025(途中) | $0.419(1Q実績) | $42.04(5/22時点) | 年換算 約3.98% |
SPYDの特徴と魅力
S&P500から高配当80社を均等分散
構成銘柄はすべてS&P500の中から選出されているため、一定の業績や流動性を満たした企業のみが対象です。
しかも1銘柄あたり1.25%前後と均等配分なので、個別企業の影響が比較的少なく、リスクが分散されています。
高配当利回り(4%台)
配当利回りはVYMやSCHDなど他のETFと比べてもかなり高め。現時点で受領できる高配当を目的に投資する方には魅力的な水準です。
楽天証券で買付手数料無料
楽天証券では買付手数料が無料。少額投資でもコストを気にせず購入できます。
単価が安い(5/22時点で42.04ドル)
価格が低いため、少額の米ドルでも購入しやすいのもポイントです。
SPYDの注意点・デメリット
セクターの偏りに注意
構成銘柄の多くが、不動産(REIT)、エネルギー、公益、金融など高配当を出しやすいセクターに偏りがち。そのため、景気の影響を受けやすい点には注意が必要です。
キャピタルゲインは限定的
成長株の比率が少なく、値上がり益は限定的。長期でのトータルリターンを求めるなら、S&P500のようなETFと組み合わせる戦略が有効です。
減配や構成銘柄の変動リスク
機械的に「配当利回り上位80社」を選んでいるため、一部企業が減配すると入れ替えが発生し、安定性や増配性にはやや難あり。
私の活用法と戦略
私は、SPYDを以下のように位置づけています。
- 高利回りでキャッシュフローを得る手段として、ポートフォリオの一部に組み入れ
- 配当金は、生活費の補填や再投資用資金として活用
- 少額の米ドルが口座に残った際に、気軽に買い増しできる候補ETFとして使える(楽天証券なら手数料無料)
まとめ:SPYDはこんな人におすすめ!
- 定期的な配当収入を重視したい
- 手数料を抑えて投資したい
- 少額から分散投資を始めたい
- 景気変動リスクやセクター偏重には目をつぶれる
SPYDは、高利回りを求める投資家にとって非常に魅力的な選択肢です。
ただし、安定性や成長性には注意が必要なので、VYMやSCHDなどの他の高配当ETF、S&P500などの市場全体に連動するインデックスとの併用も視野に入れるとよりバランスの良いポートフォリオが組めるでしょう。