みなさん、こんにちは。
先日、以下の記事でビックカメラの株主優待について紹介しました。
👉 ビックカメラの株主優待の魅力とお得な使い方【2025年最新】
この記事では優待の魅力やお得な活用法にフォーカスしつつ、PBRの同業他社比較の点にも触れました。
この記事では、「PBRって何?」という基本から、「割高、割安を判断するためのひとつ」としてのPBRの捉え方についてわかりやすく解説します。
PBR(株価純資産倍率)とは?
PBRとは、株価がその会社の「1株あたり純資産」に対してどのくらいの水準で取引されているかを示す指標です。
計算式はこちら:
PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)
ここでいう「純資産」とは、会社の持っている資産から負債を引いたもの。つまり、会社を解散したときに残る価値、いわば「解散価値」とも言えます。
具体例でPBRを理解する
少し数字を使ってイメージしてみましょう。
- A社を設立するのに、出資で4,000円集めた
- さらに銀行から6,000円借りた
- 合計で1万円の工場を購入(資産)
このときのバランスシートは以下の通り:
- 資産:1万円(工場)
- 負債:6,000円(借金)
- 純資産:1万円 – 6,000円 = 4,000円
この会社の株数が100株なら、1株あたりの純資産(BPS)は:
4,000円 ÷ 100株 = 40円
ではこの会社の株価が30円で取引されているとすると、PBRは:
30円 ÷ 40円 = 0.75
つまり、「1株あたりの純資産40円あるのに、30円で取引されている」状態です。
この会社がもし解散して工場を1万円で売り、借金6,000円を返済したら、株主には4,000円が残ります。100株で割ると、1株あたり40円戻ってくるはず。
それにも関わらず、株価は30円。
「それなら買った方がお得では?」と思えますよね。これがPBRが低い=割安の可能性があるとされる理由です。
PBRが低い=割安? 判断には注意が必要!
確かに、PBRが1倍を下回っている株(PBR<1)は、割安の可能性があります。
しかし注意すべき点もあります。
- 純資産に含まれる資産の価値が実際には低い(帳簿上だけの価値)
- 将来性が見込めないと市場に判断されている
- 業界特性として資産が多い業種(製造業など)
たとえば、老朽化した工場や使いみちのない土地が資産に含まれていた場合、その価値は帳簿より低くなることもあります。
業種によるPBR水準の違い
また、業種によりPBRの水準も異なります。
- 製造業:工場や設備など資産が多いため、PBRが低くなる傾向
- 人材派遣、ITサービスなど:資産が少ないため、PBRは高めに出やすい
つまり、同業他社と比べてどうか? を見るのもひとつの方法です。
東証が動いた!PBR1倍割れ対策
日本企業には長らくPBR1倍を下回る企業が多く存在していました。
その状況を問題視した東京証券取引所(東証)は、2023年にPBR1倍割れ企業に対し、株価を引き上げる具体策を開示するよう要請しました。
企業にとっては「放置できない指標」となったわけです。
この動きが、株主還元の強化や自己株買い、成長投資などのきっかけにもつながっています。