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ホテルでは味わえない「暮らしの旅」──民泊の魅力とは?

宿泊先 コピー

旅先での宿泊といえば、ホテルや旅館が定番ですが、最近では「民泊」という選択肢もすっかり定着してきました。

民泊とは、個人が所有する住宅や部屋を、旅行者などに宿泊施設として提供するサービスのこと。施設にはさまざまなタイプがあり、家主が普段暮らしていない場所をお借りするケースや、家主が普段生活している場所におじゃまさせていただくケース(ホームステイ)など、タイプによって体験できる内容が大きく異なるのも魅力のひとつです。

過去に、山口県・萩で訪れたゲストハウス「ruco」について記事を書いたことがあります(過去記事はこちら)。こちらは、建物全体を複数の宿泊者でシェアするスタイル。
家主の方は朝から夜までは喫茶スペースで受付業務等を対応されていましたが、基本的に家主の方は他の拠点に住まれており、宿泊者専用のキッチンやお風呂・トイレを用意していただいているといったスタイルでした。

一方で、上記以外の民泊のスタイルとして、「家主がその家に住んでいて、一部の部屋を貸していただく」タイプもあります。こちらは、まるで一日だけその家の家族になったかのような体験ができ、よりディープに地域の生活に触れられるのが特徴です。

今回は、そんな一日家族タイプの民泊(ホームステイ)の魅力について、ご紹介したいと思います。


現地の生活を体験できる

民泊最大の魅力は、その土地の暮らしぶりに触れられること。ホテルでは味わえない日常があります。

例えば、海の近くの民泊では、台所に出刃包丁と刺身包丁が常備され、日没時には「ちょっと堤防で夕飯の魚を釣ってこようか」なんてことも。実際、私が先日泊まった民泊では、釣り道具を借りて夕方の1時間ほどでメバルやアジを釣ることができました。

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(30Cmクラスのメバル)
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(ベラ:関東ではあまり食べませんが、関西では食用)

また、地元のスーパーを訪れるのも面白い発見があります。関東のスーパーでは見かけない魚や野菜を見つけて、家主の方に調理法を教わりながら、キッチンで試してみる──こんな体験も民泊ならではです。

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(高知では、カツオが1本500円と格安)

子育て世代の暮らしに触れられる

ある宿泊先では、小学生のお子さんがいるご家庭に泊まらせてもらいました。いま何にハマっているのか、学校のこと、朝の集団登校の様子……そんな日常の一コマに触れることで、地域のリアルな生活が見えてきます。


田舎暮らしの疑似体験

夕食時に、庭からネギや大葉を摘んできてくれたり、干してある玉ねぎをもらったり。こんなささやかなやり取りが、都会ではなかなかできない田舎暮らしの温もりを感じさせてくれます。


鳥のさえずりで目覚める朝

朝、窓を開けると聞こえてくるのは、鳥のさえずり。自宅でもホテルでもなかなか味わえない、自然の目覚まし時計で始まる一日。贅沢です。


蚊取り線香と虫の音の中で眠る

夜は蚊取り線香の香りと、外から聞こえる虫の声。これもまた、日本の夏らしい風情。どこか懐かしい気持ちになります。

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(虫の音を聞きながら、蚊取り線香の香りに包まれて眠りにつく)

1泊3,000円程度でできる贅沢な体験

これだけの体験ができて、1泊あたり3,000円前後という価格設定もありがたいところ。高級ホテルでは得られない、人とのふれあいと地域のぬくもりが詰まっています。

民泊を利用する際の心構え

一方で、民泊での注意点もあります。
民泊は、旅館やホテルとは異なり、「家主の暮らしの場」にお邪魔するスタイルの宿泊です。その分、温かさや暮らしの実感が得られますが、だからこそ、気をつけたいポイントもいくつかあります。

■ 謙虚な気持ちで滞在を

お借りするのは、誰かが普段生活している家。旅人の立場でありながら、一時的に「家族の一員」として迎えてもらうようなものです。だからこそ、「泊まらせてもらっている」という謙虚な気持ちを忘れずに過ごすことが大切です。

■ 家ごとにルールが異なるのが当たり前

施設や家主の方の方針によって、使える設備や過ごし方には違いがあります。たとえば「キッチンの使用OK」なところもあれば、「調理不可」の場合も。あらかじめルールを確認し、過度な期待はせず、その場のスタイルを尊重する姿勢が重要です。

■ そこにあるものを楽しむ気持ち

「なにがあるか」ではなく、「今ここにあるものをどう楽しむか」。それが民泊の醍醐味です。完璧な設備や豪華な備品を求めるのではなく、現地の暮らしをそのまま体験することに価値があります。

■ 「家族」としての役割を忘れずに

キッチンを使わせてもらったら、使った食器は洗って元の場所に戻す。布団を使ったら、チェックアウト前にきちんと畳む。こういった気配りも、民泊を心地よいものにする大切な要素です。旅人であると同時に、家の一員としての責任を果たすことが、快適さにもつながっていきます。


まとめ:人の温かみにふれる

民泊の魅力を一言でまとめるなら、「人の温かさに出会える場所」。観光地をめぐる旅ではなく、「人と暮らしに触れる旅」が、ここにはあります。

もちろん、リゾートホテルのような快適な滞在やサービスも素晴らしいものですが、民泊には民泊にしかない魅力があります。

旅の目的を「リフレッシュ」や「観光」から、「人とふれあうこと」「暮らしを知ること」に位置付けるならば、民泊はそのニーズにぴったりと寄り添う宿泊スタイルだと感じています。


次の旅では、ぜひ「暮らすように泊まる」民泊体験も、検討してみてはいかがでしょうか?

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Kiyoppi
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こんにちは!「50代からのセミリタイヤ生活!」へようこそ。 金融系システムエンジニアとして、長年忙しい会社員生活を送ってきました。仕事に追われる毎日を過ごしていたためお金を使う時間がほとんどなかったこと、また自分では意識していなかったものの節約志向が高かったこと、加えて20代から行ってきた株式投資での幸運もあったことから一定程度の資産を築くことが出来ました。 50代半ばを迎え、もう少し自分や家族のための自由な時間を持ちたいという思いから定年前に会社員をやめ、現在は個人事業主としてゆるめにお仕事を行っております。 ここでは、実際にセミリタイヤ生活を始めた私が、実践してきた節約・投資のノウハウや、セミリタイヤ後の生活について発信してきたいと思います。 ※投資は自己責任です。ご自身で責任をもってご判断をお願いします。 https://x.com/kiyoppiX
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