みなさん、こんにちは。
先日、以下の記事でPBRについて紹介しました。
今回は、「PERって何?」という基本から、PERの注意点まで、わかりやすく解説します。
PER(株価収益率)とは?
PERとは、株価が1株あたりの利益(EPS)に対してどれくらいの水準で取引されているかを示す指標です。
計算式はこちら:
PER = 株価 ÷ 1株あたり利益(EPS)
ここでいう「利益」とは、企業が1年間に稼ぎ出した純利益をベースにした「1株あたりの儲け」のこと。
PERを見ることで、「この株は利益に対して高いのか、安いのか」がざっくりわかります。
具体例でPERを理解する
例えば、ある企業の1年間の純利益が10,000円、株数が100株、株価が1,000円 の場合
1株あたり利益(EPS)は、純利益10,000円 ÷ 100株 で100円となり、
PERは、株価 ÷ 1株あたり利益(EPS)なので、
1,000円 ÷ 100円 = 10倍
つまり、「この会社は、1年当たりの利益の10倍の株価なので、10年かけて利益で株価を回収できる」と考えられます。
PERが低ければ、「利益の割に株価が安い(=割安かも)」と判断されることが多いです。
PERが低い=割安? 判断には注意が必要!
PERが低いからといって、必ずしも「お得!」とは限りません。
以下のようなケースには注意しましょう。
- 一時的に利益が膨らんでいるだけ(特別利益など)
- 将来の成長が見込めない企業(利益の変動幅が少ないなど)
- 会計上の操作で利益が大きく見えている
- 業界全体が低PER傾向にある業種
逆に、PERが高くても「将来成長が見込める企業」なら、今の株価が高くても投資する価値がある場合も。
例えば、毎年利益が1.5倍に増加している企業であれば、現時点のPERが20倍でも6年で回収可能となると考えられる。
1年間の純利益が10,000円、株数が100株、株価が2,000円 の場合
1株あたり利益(EPS)は、純利益10,000円 ÷ 100株 で100円となり、
PERは、株価 ÷ 1株あたり利益(EPS)なので、2000円 ÷ 100円 = 20倍
2年目のEPSが150円(利益合計= 100円 + 150円 = 250円)
3年目のEPSが225円(利益合計= 475円)
4年目のEPSが338円(利益合計= 813円)
5年目のEPSが506円(利益合計=1,319円)
6年目のEPSが759円(利益合計=2,078円) ←この時点で株価2000円を超過する
業種によってPERの「普通」は違う
日経平均のPER平均は、おおよそ15倍程度ですが、業種によって、PERの水準は大きく異なります。例えば:
- IT・医療・成長企業:PERが高め
- 金融・陸運・インフラなど安定業種:PERは低め
なので、PERを判断するときは、「同業他社と比較する」ことが大切です。
PBRとPER、どっちを見るべき?
両方とも「株価の割高・割安」を測る指標ですが、見るポイントが違います。
- PBR → 純資産との比較(会社の純資産ベース)
- PER → 利益との比較(稼ぐ力ベース)
たとえば、利益が大きくても資産が少ない企業はPERは低くてもPBRは高い…といったことも。
両方をセットで見ると、企業の姿がより立体的に見えてきます。
まとめ:PERは「利益の見方」。数字の裏にあるストーリーを読もう
PERは、「その企業がどれくらいの利益を出しているのか」、そして「その利益に対して今の株価は妥当か?」を見極めるヒントになります。
ただし、PERだけで割安・割高を判断しないこと!
- 一時的な利益かどうか?
- 将来の成長性はあるか?
- 業界平均と比べてどうか?
といった視点を持つことが、堅実な投資には欠かせません。
PBRに続いて、PERも投資判断のツールとして、ぜひ活用してみてください!