皆さんは、「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」という本をご存知でしょうか? ビル・パーキンス氏のこの著書、大変話題になっています。
私自身、すべてに共感できたわけではありませんが、「人生をより豊かに生きるためのお金の使い方」について考えさせられる部分がありました。 今回は、私が共感した部分を中心に紹介したいと思います。
『DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)』とはどんな本?
この本のメッセージを一言で表すなら、
「人生の資産は“思い出”であり、経験こそが最大の投資先」
というもの。
本書の主なポイント:
- お金は“今しかできない経験”に使うべき
- 若いときこそ、借金してでも経験を買う価値がある
- お金を使わずに死ぬのは時間と労力の無駄遣い
- 年齢に応じて「お金・健康・時間」のバランスを最適化する
- 思い出は“配当”のように、後の人生で自分を潤してくれる
- 子どもへの相続は、本人が活かせる時期に行うべき
経験は“未来の自分”を癒す配当となる
著者の一番の主張は、「人生は経験の合計である」という点。
旅行やチャレンジ、家族との時間など──
それらは消えてなくなるものではなく、自分自身を成長させ、人生後半には“思い出の配当”として自分に返ってくるのだと。
確かに、これまでの自分の人生を振り返ったとき、心に残っているのは給与明細でも通帳の残高でもなく、
仕事を通じた達成感、家族旅行での笑顔、仲間との語らい、子どもの成長……
そうした「時間の記憶」です。
資産運用や老後資金も大切ですが、「経験への投資」もまた、かけがえのないリターンを生んでくれるのかもしれません。
共感できた点
本書の中で、特に共感したポイントを4つ挙げてみます。
1. 経験の価値は一生モノ
思い出は配当のように、人生の後半になってからも喜びを与えてくれる。 これは投資の“複利効果”にも通じるものがありますね。
2. 子どもには、受け取った財産を活かせるときに渡す
自分の死後に財産を残すより、
子どもが一番必要としている時期に支援する
この考え方には大いに共感します。
3. 「金・健康・時間」の最適化
年を重ねると、健康が最大の制約になります。
どんなにお金があっても、健康でなければ楽しめないことも増えてきます。
若いときほど「できること」の選択肢が広がる──これは痛感するところです。
4. 思い出が「人生の終わり」を穏やかにしてくれる
最期のときに、「あぁ、いい人生だった」と思えるのは、
経験と記憶に満たされた生き方をした人ではないでしょうか。
共感できなかった点──ゼロで死ぬという発想
ただし、すべてに納得できたわけではありません。
とくに「ゼロで死ね」という部分には、正直なところ少し違和感がありました。
なぜなら、
常に“お金がゼロに向かっていく”という発想は、かえってストレスになるからです。
「残り資産を使い切る」という考えは、精神的に不安定になりやすい気がします。
私の考え方としては、
- 一定程度の資産や収入の土台を維持しつつ
- 意識的に“経験に投資”していく
というのが、現実的でバランスの良い方法だと感じました。
最後に──「今この瞬間」を大切に
「今しかできないことにお金を使おう」というメッセージは、
投資や資産形成を続けてきた私にとっても、 とても大きな気づきでした。
お金を貯めるだけでなく、「使い方」にも意識を向ける。
これは、投資と同じくらい大事な“人生設計”のスキルだと感じます。
これからも私は、
- インデックス投資や高配当株といった「堅実な資産運用」をベースに
- 「経験に投資すること」も忘れずに
そんな生き方を模索していきたいと思います。