2025年8月27日付の日本経済新聞によると、金融庁が8月末に出す税制改革要望で、少額投資非課税制度(NISA)にスイッチング機能(商品入れ替え)を追加する方向で検討していることがわかりました。
これは、投資家にとって資産形成の出口戦略をより柔軟に行える大きな一歩となりそうです。
現在のNISA制度ではできないこと
今のNISAでは「そのまま入れ替える」という操作はできません。
実際には次の手順を踏む必要があります。
- 保有している商品を一度売却する(この時に利益があっても非課税)
- その後、入れ替えたい商品を新しく購入する
ここで問題になるのが「投資枠」の扱いです。
売却で生じた枠は翌年にならないと復活しないため、年間の投資上限(積立NISA枠120万円+成長投資枠240万円)をすでに使い切っている場合、新たな購入ができない状況が発生します。
今回の要望では、売却分の簿価相当額をすぐに復活させ、入れ替えがスムーズに行えるようにするというものです。
iDeCoの「スイッチング」と同じイメージ
似た仕組みとして、個人型確定拠出年金(iDeCo)にはすでに「スイッチング」が存在します。
株式から債券へ、あるいは債券から株式へと、保有商品の比率を変えることが可能です。
現役時代に株式中心で資産を増やし、老後の生活資金に備えてボラティリティを下げるために債券へ移す――こうした動きは非常に合理的です。
NISAにも同様の仕組みが入れば、資産運用の柔軟性が一段と高まるでしょう。
大学費用の積立にも活用できる?
今回の日経記事には直接触れられていませんでしたが、NISAの対象年齢が引き下げられる可能性も議論されています。
もし子どもの大学費用などを念頭に置くなら、NISA制度を使って18年間コツコツと積み立てていくという方法も考えられます。
ただし注意したいのは、実際にお金が必要になる時期に相場が大きく下落しているリスク。
大学費用に必要な資産を築いた後、ボラティリティを下げるためどこかのタイミングで債券にスイッチングしておくことも可能となります。
まとめ
今回のスイッチング機能の追加要望は、NISA利用者にとって非常に歓迎できる改正だと思います。
長期投資の途中で環境が変わっても、資産配分を柔軟に調整できることで「使いやすい制度」に近づくはずです。
投資は「始めること」も大切ですが、「続けること」「守ること」も同じくらい重要です。
制度の改善を活かしながら、より安心して資産形成を続けていきたいです。
よろしければ、関連する次の記事もご参照ください。
👉NISA、全世代に対象拡大へ ─ 子どもにも非課税投資の道
👉イデコ(iDeCo)、2027年から掛け金が大幅引き上げへ