イーロン・マスク氏のインタビュー動画を視聴して、
正直なところ、少し背筋が伸びるような感覚を覚えました。

AI、ロボット工学、そして宇宙開発。
どれも未来の話のようでいて、マスク氏の口ぶりはこう言います。

「私たちは、すでにシンギュラリティの中にいる」

少し大げさに聞こえるかもしれません。
でも、話を追っていくうちに、「あながち誇張でもないのでは…」と感じ始めました。
今回は、AGI(汎用人工知能)の部分について、紹介します。

出典
https://www.youtube.com/watch?v=RSNuB9pj9P8

AGI(汎用人工知能)とは?

インタビューの紹介の前に、AGI(汎用人工知能)について、少し説明します。
AGIとは、ざっくり言うとAIの進化系です。
今のAIは特定の作業について実現可能ですが、AGIは人間が出来る全ての知的作業が実現可能となります。

特徴今のAI(特化型)AGI(汎用人工知能)
できること特定の作業(翻訳、画像作成、囲碁など)人間ができる知的な作業ならすべて
学習教えられたことだけが得意未経験のことでも自分で考えて学習・応用できる
例えるならプロの寿司職人(寿司は凄いが、車の修理は無理)超天才な人間(料理も修理も勉強も何でもこなす)

AGIが実現すると、私たちの生活はドラマチックに変わると言われています。

  • 未知の課題の解決: ガンの特効薬の開発や、複雑な気候変動のシチュエーションに対する解決策を、人間以上のスピードで導き出してくれるかもしれません。
  • 究極のパートナー: 掃除、料理、仕事の補助、悩み相談まで、一台(あるいは一つのシステム)で完璧にこなしてくれます。
  • 働かなくていい社会?: 多くの知的な仕事や肉体労働をAGIが代行することで、人間が「やりたいことだけをやる」時代が来るという予測もあります。


AGIはいつ実現するのか?──2026年が転換点

では、今回のインタビューにおいて、イーロン・マスクがどのように語っていたのでしょうか。
今回のインタビューで、最もインパクトがあったのはこの発言です。

「2026年にはAGIに到達する可能性がある」

さらにマスク氏は、こんな未来像を描いています。

  • 2030年までに:AIの知能は「全人類の知能の総和」を超える
  • 進化は指数関数的:性能は毎年10倍(=1000%)で向上し続ける

想像以上の速さですね。
向上スピードが、毎年「10倍成長」と聞くとあり得そうな気もします。


カギは「知能密度」──AIはまだ100倍賢くなれる

マスク氏が興味深い言葉として挙げていたのが、
「知能密度(ギガバイトあたりの知能)」という概念です。

今のAIは、まだまだ“無駄が多い”状態にある。
つまり、同じデータ量でも 100倍賢くなる余地があるというわけです。

4ビット・トレーニングという発想

ここで登場するのが「4ビット・トレーニング」。

現在主流なのは、

  • 学習時:16ビット
  • 推論時:4ビットに圧縮

という方法ですが、マスク氏は
「学習そのものも4ビット以下になる」と予測します。

彼の例えが、とても分かりやすかったです。

すでに「テキサス州オースティン」にいると分かっているなら、
住所を指定するのに州名や市名は要らない。
“通りの名前”だけで十分だ。

つまり、文脈を理解しているAIには、少ない情報量で足りるということですね。

その結果どうなるかというと、

  • 計算が単純化され、処理速度が10〜100倍
  • メモリや帯域といった物理的制約が大幅に軽減

マスク氏は、AIが自ら次のチップを設計するようになれば、進化のスピードはさらに加速し
AIの進化が「空を突き抜ける」と語っていました。


ホワイトカラーからブルーカラーへ──「ビット」から「アトム」の世界へ

AIの影響は、まずデジタルの世界から始まります。

  • キーボード
  • マウス
  • 情報の整理や判断

いわゆる「ビット(情報)」を扱う仕事は、
すでにAIが得意とする領域ですよね。
既に生成AIの領域などは、一般的に使用され渡っています。

一方で、次に来るのが 「アトム(原子)」の操作です。

ヒューマノイドロボット「オプティマス」

マスク氏が繰り返し強調していたのが、
テスラの人型ロボット Optimus の存在です。

AIがどれだけ賢くなっても、
現実世界で「物を作る」「運ぶ」「組み立てる」には身体が必要。

  • 製造業
  • 建設
  • 物流

こうした分野で、
労働力不足を根本から解決する切り札になる、という主張でした。

マスク氏は、このAI×ロボットの融合を
「音速の津波(supersonic tsunami)」と表現しています。

今後3〜7年で、社会は想像以上に変わるかもしれません。


AIを“狂わせない”ための3つの条件

これだけ強力なAIが登場すると、不安も湧いてきます。
マスク氏自身も、その点は非常に慎重です。

彼が挙げたのは、AIの安全性を保つための3つの軸。

  1. 真実(Truth)
    嘘や矛盾を教え込まず、真実を最大限追求させること
  2. 好奇心(Curiosity)
    人類を「面白い存在」だと感じてもらえるかどうか
  3. 美(Beauty)
    美意識を持つAIは、より良い未来を選びやすい

効率や正解だけでなく、
価値観そのものをどう設計するかが問われている気がしました。


さいごに:どのような未来となるのか

多くの知的な仕事や肉体労働をAGI、ロボットが代行することで、人間が「やりたいことだけをやる」時代が来るという予測もあります。

イーロン・マスク氏も、モノやサービスが行き渡る時代、普遍的な高所得(Universal High Income)が待っていると予測しています。

もちろん、移行期は平坦ではなく、マスク氏自身も「bumpy ride(でこぼこ道)」になると認めています。

このインタビューは、単なる「未来予測」ではなく、
すでに始まっている現実の話だと感じました。

皆さんもぜひ、
AIの進化を遠い世界の話にせず、
働き方・学び方・生き方を考える
一つの材料にしてみてはいかがでしょうか。