ミラノ・コルティナ五輪という最高の舞台で、華麗に、そして力強く現役生活に幕を下ろした坂本花織選手。 彼女が氷の上に残したものは、銀メダルという輝かしい記録だけではありませんでした。

今回、彼女の21年間のスケート人生と、世界中から愛されたその「人間味」にスポットを当てたオリジナル曲『ラスト・ダンス』を制作しました。

悔し涙と「エビフライ」の裏側にある強さ

この曲の2番では、彼女の代名詞とも言える「天真爛漫な素顔」を描いています。 表彰式の直後、悔し涙を拭ったばかりの彼女が被った「エビフライの帽子」。あのおどけた姿は、単なるジョークではありませんでした。初めての五輪で震えていた後輩の中井亜美選手を笑顔にするための、彼女なりの優しさだったのです。

「自分の痛みより、誰かの明日を願う」

リンクサイドで後輩の衣装を縫ってあげたり、選手村の情報を細かく共有したり。そんな「チームジャパンの太陽」としての彼女の背中を歌詞に刻みました。

逆境を「楽」と言い切った女王の矜持

ショートプログラム(SP)2位。首位を追うプレッシャーの中、彼女は「追いかけるほうが楽。攻めの姿勢でいけるから」と笑ってみせました。 曲の冒頭からサビにかけては、その強気なアスリート魂と、フリー『愛の讃歌』で見せた魂の演技、そして演技構成点(PCS)ですべて9点台を叩き出した「表現力の極致」をドラマチックに盛り上げています。

氷に捧げた最後の祈り

曲のクライマックスで描いたのは、エキシビションのあと。 「りくりゅう」ペアと共に氷上に跪き、銀盤にそっと手を触れて一礼を捧げたあの聖なる瞬間です。 感謝の祈りを込めて氷に触れた彼女の手の温もりを、メロディに乗せて表現しました。


記録以上に記憶に残る、「トータルパッケージ」なスケーター、坂本花織。
彼女が歩んできた21年間のステップを、ぜひこの曲と共に振り返っていただけたら嬉しいです。