「S&P500を毎月コツコツ積み立てているけれど、積立日って何日に設定するのがいいのかな?」
そんなふうに感じたこと、皆さんも一度はあるのではないでしょうか。
私自身、インデックス投資を長く続けてきた中で、
「どうせ毎月買うなら、できるだけ安く買いたいよなあ…」と感じて、日付の傾向が気になっていました。
そこで今回は、2000年1月以降のS&P500(米ドル建て)の終値データを使って、
「月のうち何日が安い傾向があるのか?」を検証してみました。
検証の目的と前提条件
あくまで今回の目的は、
✅ 「S&P500を毎月定額積み立てるなら、どの日付が安くなりやすいのか?」をデータで検証する
というものです。
以下の前提で進めました:
- 米ドル建てのS&P500の終値データを使用(為替は考慮していません)
- 対象期間は2000年1月~2025年5月末
- 各月の1日〜31日の終値を高い順に並べて、「月毎に〇日が高い」を順位づけ
- 上記で求めた「順位」の平均を算出
- 平均を求める際、土日祝や取引停止日などは母数から除外することのより考慮した
検証結果:日付ごとの平均順位一覧
横軸に「日付」、縦軸に「価格の順位」を表しています。
「価格の順位」が大きいほど、SP500の価格は低いことを示しています。
(SP500の価格が同月内で低い → 同月内での価格順位は下の方)
「価格の順位」が小さいほど、SP500の価格は高いことを示しています。
(SP500の価格が同月内で一番高い → 同月内での価格順位は1位)


見えてきた傾向
▶ 月初が安く、月末に向けて高い傾向
右肩上がりの相場が続いたこの期間では、月初のS&P500価格が比較的安く、月末にかけて高くなるという傾向がはっきり表れました。
特に「1日」が最も順位が高く(=価格が安い)、
「30日」「31日」は最も価格が高くなる傾向にありました。
長期で積立する場合、この差は小さく見えても、20年単位で続ければ取得単価に影響が出る可能性もあるため、無視できません。
▶ 15日・16日・月末は高くなりやすい
さらに目を引いたのが、15日・16日、そして月末付近(28日〜31日)の価格の高さです。
なぜこのタイミングに高くなりやすいのか――
その背景には、アメリカの給与支給日とそれに関連する資金流入の構造がある可能性があります。
なぜ15日・30日前後にS&P500が高くなりやすいのか?
📌 アメリカの給与スケジュールが影響か
- 米国企業では、給与支給日が「毎月15日と月末(30日/31日)」であることが多い
- 給与支給にあわせて、401(k)などの自動積立型の制度により、インデックスファンドやETFの買いが行われる
- これが月中・月末にかけての需給を押し上げる要因に
また、月末には以下のような買い需要もあります:
- ファンドによる月末リバランス
こうした定期的な資金の流れが、月末の価格上昇に影響している可能性があります。
投資信託で積立する場合の「日付の注意点」
日本で積立投資をする際の「日付設定」で注意が必要な場合があります。
▶ 約定日と引落日は別!?
- 「積立によるお買付日=約定日」ではないことがあります。
- 休日や、時差・海外市場の休日などの影響で、翌営業日以降になることもありえます。
📌 購入タイミングを正確に把握したい場合は、証券会社の公式サイトでスケジュールを確認しましょう。
✅ まとめ:積立日は「月初」が安い傾向
今回の検証では、月初(特に1日~6日頃)にS&P500が比較的安くなる傾向が見られました。もちろん、将来の傾向を保証するものではありませんが、「月初積立」には一定の合理性があるように感じます。ただし、給与日などの関係で月末にならざるを得ない場合等においては無理をしない方がよいかと思います。
一番大事なことは、積立投資は「続けること」。
細かな日付にこだわりすぎず、「自分の習慣に合った日付」でコツコツ続けるのがいちばんです。
☘️ 最後に…
投資は未来を保証するものではありませんが、「過去の傾向を知ること」は未来の行動に役立つはず。
少しでもあなたの積立投資が安心して続けられるヒントになればうれしいです。