― 今、再び風を捉えて ―

北海道上川町、高いジャンプ台がそびえる町に一人の少女がいました
彼女の名は、高梨沙羅

わずか15歳で、世界を驚かせた彼女の物語は
まさに「光」そのものでした

女子ジャンプ界の夜明けとともに現れた彼女は
瞬く間に世界の頂点へと駆け上がります

ワールドカップ通算63勝

男女を通じて歴代最多という
誰も踏み入れたことのない聖域に
彼女は一人で立ちました

しかし
オリンピックの舞台は
時に残酷な横顔を見せます

金メダル候補と言われながら
4位に終わったソチ

悲願の銅メダルを手にしながらも
頂点への距離に唇を噛んだ平昌

そして、2022年の北京
世界中が息を呑んだあの「失格」の判定

崩れ落ち、「私のせいで」と
声を絞り出して泣いた
彼女の姿を私たちは忘れることができません

誰よりも努力し
誰よりも誠実に
競技と向き合ってきた彼女の翼が
不条理な風に折られた瞬間でした

普通の人間なら
そこで立ち止まってもおかしくない。

けれど、高梨沙羅は再び
ジャンプ台へと続く階段を登り始めました

自分を信じ
空を飛ぶことの美しさを信じ
応援してくれる人々の想いを背負って

何度も落ちては
そのたびに前よりも
高く、強く、美しく
舞い上がる

そんな一人の孤独なレジェンドに捧げる
感謝と希望の歌です

今、再び風を捉えて

【歌詞】

白い息が 朝に溶けて
静けさ包む ジャンプ台
何度も見上げた この空に
夢を重ねて 飛んできた

歓声の中で 輝いた日々
努力はいつも 裏切らなかった
だけど突然 降りかかった影
北京の空が 曇ったあの日

それでもあなたは 歩き出した
涙を胸に 希望へと跳ぶ
悔しさを今 翼に変えて
夢は終わらないと その背中で語る

静まり返る 長い夜に
問いかけていた 自分自身
「この悔しさを どう越えるか」
答えを探し 泣いた日々

責める声より 重い沈黙
胸に刺さった 現実
それでも逃げずに 向き合った
弱さを超えて ずっと強くなった

傷ついた心は 折れない
新しい翼に 生まれ変わる
嵐の中でも 飛ぶことをやめず
未来へ続く空 切り拓いてゆく

もう一度 高く飛び立て
過去を越えて 明日へ
誰より遠く 美しく
希望のかけはしを 描いてゆけ