最近、「自動運転」という言葉を耳にする頻度が、明らかに増えた気がします。
特に印象的だったのは、サンフランシスコではすでに“無人タクシーが日常の風景になりつつある”という話です。

「これは一度、ちゃんと調べておいたほうがいいな」

そう思って、自動運転について体系的に調べてみました。
すると見えてきたのは、単なる技術競争ではなく、社会の構造そのものをどう設計するかという、かなり大きなテーマでした。

その中心にいるのが、
テスラウェイモ です。

以下は、今回の調査で「なるほど」と感じたポイントを、自分なりに整理したものです。


同じ自動運転でも、世界の“見え方”が違う

最初に驚いたのは、両社の設計思想が、想像以上に対照的だったことです。

テスラは「人間の目」の考えを用いている

テスラの考え方は、とてもシンプルです。

人間は視覚だけで運転している。
ならば、車においても、カメラとAIだけで運転できるはずだ。

この思想を突き詰めた結果、2021年にはレーダーすら廃止し、
カメラ8基+AIに一本化しました。

これを主導した イーロン・マスク は、
Lidarについて「高価な松葉杖」とまで言っています。

調べていて感じたのは、これは無謀というより、
「汎用AIを育てるための覚悟」に近い判断だということです。


ウェイモは「機械にしかできない感覚」を積み上げる

一方のウェイモは、まったく逆の発想です。

  • Lidar(高精度レーザー)
  • レーダー
  • 約30個のカメラ
  • センチ単位で作られた3次元高精度マップ

合計40個前後のセンサーを使い、
人間を超える「機械の超感覚」で世界を把握します。

人間の直感を再現するテスラに対し、
ウェイモは人間の限界を前提にしない設計

ここは単なる技術選択ではなく、
「何を信じるか」という思想の違いだと感じました。


実績のウェイモ、スケールのテスラ

次に注目したのは、現在の実績と将来の拡張性です。

ウェイモは、すでに“完成形”を見せている

ウェイモは、サンフランシスコなどで
週25万回以上の有料ライドを提供し、累計は1,000万回超。

数字だけを見ると、
「もう答えは出ているのでは?」と思ってしまいます。

ただし、走れるのは高精度マップが整備されたエリアだけ
新しい都市に進出するたびに、
時間とコストをかけて“箱庭”を作る必要があります。


テスラは「野生」で鍛えられるAI

一方テスラの強みは、圧倒的なデータ量です。

世界中を走る一般ユーザーの車から集まる走行データは、
数十億マイル規模とも言われています。

地図がなくても、その場で判断する。
調べていて感じたのは、これは

ソフトウェア更新ひとつで、
世界中を一気に展開できる可能性

を秘めている、という点でした。


実は、ビジネスモデルもまったく違う

さらに調べていくと、
両社は「同じ市場」を見ていないことにも気づきます。

ウェイモは“次世代タクシー会社”

ウェイモは、自社で車両を保有し、無人タクシーを運営します。
Alphabet (google)傘下らしく、
安全で高品質な「移動体験」を完成品として提供するモデルです。

品質と信頼を、少しずつ積み上げるやり方だと感じました。


テスラは「車のAirbnb」を狙っている

テスラが描くのは、もっと分散型の世界です。

  • 個人が所有する車が
  • 使われていない時間に
  • ロボタクシーとして稼働する

テスラは車を売りながら、
その背後で巨大なネットワークを運営する“胴元”になる。

かなり野心的ですが、
「テスラらしい」とも思いました。


自動運転は、実は“通過点”だった

調査を進めるうちに、
自動運転はゴールではない、ということも見えてきました。

テスラは、自動運転で鍛えたAIを
人型(ヒューマノイド)ロボット(オプティマス)へと転用しようとしています。

車を走らせるための

  • 視覚認識
  • 状況判断
  • リアルタイム意思決定

これらは、そのまま現実世界で働くAIにつながります。

ウェイモも同様に、その知能を
物流トラックや公共交通へ広げる構想を持っています。

つまり、自動運転は
「物理世界で動く汎用AI」への入口なのだと感じました。

今回、自動運転について調べてみて思ったのは、
「どちらが勝つか」は、まだ誰にも分からないということです。

  • 短期的には、確実な安全性を示すウェイモ
  • 長期的には、データとスケールで攻めるテスラ

これは技術の勝負というより、
どんな未来を信じるかの違いなのかもしれません。

自動運転は、もう遠い未来の話ではありません。
静かに、でも確実に、私たちの生活の前提を書き換え始めています。

日本での期待:自動運転は「実験」から「成長分野」へ

そして、この流れは決してアメリカや中国だけの話ではない、ということです。
日本でも、自動運転を社会実装と成長産業の両面から捉え直す動きが、少しずつ見え始めています。

チームみらい・安野氏が語る「社会実装としての自動運転」

技術政策やスタートアップ支援の文脈で注目されているのが、
「チームみらい」に所属する 安野貴博 氏の発言です。

安野氏は、自動運転を
「単なる最先端技術ではなく、人口減少社会における現実的なインフラ」
として捉える重要性を繰り返し指摘しています。

特に印象的なのは、

  • 地方の移動手段の確保
  • 高齢者の生活の質(QOL)の維持
  • 人手不足を前提にした都市・地域設計

といった日本固有の課題に対して、自動運転が「技術実験」で終わってはいけない、という視点です。

調べていく中で感じたのは、
自動運転は「夢の技術」ではなく、
日本社会が現実的に必要としている解決策になりつつある、ということでした。


自民党・高市体制での「成長分野」としての自動運転投資への期待

もう一つ注目しておきたいのが、政策面での期待です。

自民党内では、経済安全保障や先端技術を重視する流れの中で、
自動運転・AI・ロボティクスを成長分野として重点投資する考え方が強まっています。

とりわけ、高市早苗 氏が掲げてきた

  • 戦略的技術への国家投資
  • 規制改革と実証実験の加速
  • 日本発技術の国際競争力強化

といった路線と、自動運転は非常に相性が良い分野です。

仮に、こうした考え方が政権運営の中核に据えられた場合、
自動運転は

  • 実証止まりではなく
  • インフラ投資・産業育成・輸出産業

までを含む、本格的な国家プロジェクトへと位置づけられる可能性があります。


おわりに:日本は「追いつく側」ではなくなれるか

テスラとウェイモの競争を調べていく中で、
日本はどうしても「海外事例を追いかける側」に見えがちです。

しかし、

  • 社会課題が明確で
  • 安全性に対する要求水準が高い
  • ロボット分野での技術水準は高い

という日本の特性は、
実は自動運転の社会実装モデルを作るうえで非常に有利でもあります。

今回の調査を通じて、
そんな可能性も、同時に感じることができました。