先日、香川県高松市へひとり旅に出かけてきました。
ひとり旅の魅力は、「気ままさ」と「出会い」。今回はそんな出会いを求めて、軽く会話のできるお店を探しながら街をぶらぶら。Google Mapで検索していて、レビュー評価4.6という高評価のお店を発見。それが、今回訪れた 立飲み ことこ さんでした。
高松の巨大アーケード「高松中央商店街」すぐ近く
まず驚いたのが、高松の商店街のスケール。高松中央商店街は、なんと全長2.7km。これは日本最長のアーケード街です。ちなみに、関東で有名な戸越銀座商店街は1.3kmなので、その2倍以上。商店街といっても、途中にはデパートやグッチの店舗などもあり、まさに商店街の概念が覆されるような不思議な空間です。
「ことこ」はそのアーケード街からすぐの場所にあります。
外観は上品で静かな佇まい
お店はビルの1階。ガラス張りの外観がとてもシンプルで上品です。外からそっと覗くと、なんと着物姿の美しいおかみさんがひとりでお店を切り盛りしている様子が見えました。
店頭にはメニュー表もなく、正直「お高いのでは…?」と一瞬ひるみます。でも、カウンターには欧米人女性のお客さんが二人。これは大丈夫そうだと判断し、思い切って入店してみることに。

日本酒好きにはたまらないラインナップ
「ことこ」は日本酒を中心とした立ち飲みスタイル。香川県でも入手困難として知られる「悦凱陣(よろこびがいじん)」が、なんとリーズナブルな価格で飲めます。
・日本酒3種飲み比べ(70ml×3種):1,300円
・凱陣3種飲み比べ(70ml×3種):1,500円
しかもこの「悦凱陣」、あの漫画『美味しんぼ』にも登場する、知る人ぞ知る名酒。
私が、最初に注文したのは日本酒3種飲み比べ。凱陣を1種入れてもらい、残りは飛露喜と紀土。どれもすっきりした飲み口で、店の静かな雰囲気と相まって、ついつい進んでしまいます。

ひとり客が自然とつながる不思議な空間
16時ごろに入店し、最初は欧米人の女性2名の隣に案内されました。彼女たちはオランダからの旅行者で、10日間の日本旅の途中。このお店はSNSで見つけて楽しみにしていたとのこと。日本酒が念願だったそうで、大満足していました。
その後も、次々とおひとり様の来店が続きます。常連さん、韓国からの旅行者、岡山から日帰りで来た方、お仕事で香川に来ている方などなど。
女将さんがまたすごい。「この人とは話が合いそう」と思われるお客さん同士を自然に隣に配置してくれて、店内に不思議な一体感が生まれます。盛り上がっていない席には自ら話しかけてフォロー。まさに”やり手ママ”という感じ。
「一期一会を大切にする」——そんな言葉がぴったりな空間でした。
この日いただいたお酒とおつまみ
ついつい美味しくて、お酒のお代わりも。
- 最初のオーダー:凱陣 興、飛露喜、紀土
- 2回目のオーダー:鳴門鯛LED、酔鯨 DRUNKEN WHALE、作(ざく)
それぞれ味わい深く、日本酒の奥深さを再認識しました。おつまみも、素材の味を引き立てる優しい味付けで、お酒がより美味しく感じられます。

二次会は地元角打ち「頼酒店」へ
「ことこ」で意気投合した方と、そのまま二次会へ。女将さんおすすめの、すぐ近くの角打ち店 頼酒店(らいさけてん) にお邪魔しました。こちらもGoogle評価4.6の名店。
常連さんが多く、温かく迎えていただきました。地元のうどん情報で盛り上がったり、スタッフの若者が香川大学の学生で、代々このお店を紹介されて働いているという話を聞いたり。観光とは違う、地元の日常に触れられる時間となりました。

生ハムがちょうどよい塩加減で、めちゃくちゃ美味しかったのも印象に残っています。

〆はやっぱりカレーうどん「しんぺいうどん」
そして、宴もたけなわ。そろそろ帰ろうとしたところ、同席していた方に言われたひとこと。
「香川に来たら、〆はカレーうどんでしょ」
そんなわけで訪れたのが、地元で人気の「しんぺいうどん」。スパイシーでコクのあるカレーと、もちもちのうどんが疲れた胃に染み渡りました。


まとめ
今回のひとり旅は、「ことこ」での出会いから始まり、角打ちでの語らい、〆のうどんまで、まさに一期一会を味わい尽くした一日でした。
ひとりでも、ふらっと立ち寄って温かく迎えてくれる。そんなお店と出会えるのが、ひとり旅の醍醐味です。
高松に行かれる方は、ぜひ「立飲み ことこ」とその周辺のディープスポットを訪ねてみてください。きっと、旅の思い出がもう一段、深くなるはずです。