今回は、自動車用品業界の最大手「オートバックス(9832)」について、株主優待や配当、そして将来性に注目してまとめてみました。
車を持つ方にとって、カー用品店は「なくてはならない存在」ですよね。
私もタイヤの交換やオイル交換など、何度お世話になったことか…。
そんな“身近な企業”でありながら、実は株主還元にも力を入れているのがオートバックスなんです。
使いやすさ重視の株主優待内容
オートバックスの株主優待は、年2回(3月末・9月末)の権利確定で、グループ店舗(一部除く)で利用できる「自社限定Vポイント」がもらえます。
保有株数 | 年間ポイント | 備考 |
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100株以上 | 2,000ポイント(1年以上保有) | |
300株以上 | 6,000ポイント(1年以上保有) | |
700株以上 | 14,000ポイント(1年以上保有) 16,000ポイント(3年以上保有) | 長期保有で増額 |
1,000株以上 | 20,000ポイント(1年以上保有) 26,000ポイント(3年以上保有) | 長期保有で増額 |
※1年以上継続保有した株主のみに贈呈。
※1ポイント=1円相当。有効期限はポイント付与日から1年後の月末まで。
たとえば、100株(約14.3万円)を保有していれば、年間2,000円分の優待がもらえるので、優待利回りは約1.39%になります。
さらに、配当利回りが4.19%(年間60円配当)と高水準なため、総合利回りは5.59%。これはかなり魅力的ですね。
好調な業績と安定した配当方針
2025年3月期の業績は以下の通り、全体的に力強い伸びを見せました。
- 売上高:2,495億円(+8.6%)
- 営業利益:121億円(+51.4%)
- 当期純利益:81億円(+28.0%)
- ROE:6.2%
特に冬場の降雪による冬用タイヤ・チェーンの需要や、車両メンテナンスの増加が追い風となったようです。
2026年3月期の予想も引き続き堅調で、配当は年間60円で据え置き予定。
株主還元の基本方針として「安定配当」を掲げております。
中期経営計画「Accelerating Towards Excellence」
2024年度から2026年度までの中期経営計画では、長期ビジョンとして「モビリティライフのインフラ」を掲げています。
その実現に向けた3つの戦略骨子と9つの重点施策の中でも、特に注目したいのがこちら:
【注目の重点施策】
- EVソリューション事業の開発
- マイクロモビリティの販売・サービス
- 水平・垂直統合によるグループ再編
EVや小型電動モビリティなど、新しいモビリティの波に対応していく姿勢が見えます。
オートバックスが単なる「カー用品店」を超えて、モビリティ全体のサポーターにくいこめるか注目したいです。
注意点
一方で、いくつかの懸念点にも注意が必要です。
- 配当性向が高め(2025年3月期で約58%)
- ROEは6.2%と、もう少し成長の余地あり(競合イエローハットは9.5%)
- 暖冬リスク:冬商戦の売上に影響が出る可能性あり
これらはすぐに業績悪化に直結するものではないものの、長期保有を考えるなら気にしておきたいポイントです。
業界全体の変化と、オートバックスの立ち位置
オートバックスが属するカー用品業界は、今まさに100年に一度の変革期といわれています。
その背景には、以下のような大きな潮流があります。
- EV・自動運転・コネクテッドカーの普及
- マイクロモビリティの台頭
- 若者の車離れ、カーシェアの拡大
- 運転者の高齢化
こうした変化の中で、オートバックスが掲げる「進化」と「挑戦」の姿勢は、注目に値すると感じています。
まとめ:カーライフを支える存在として
オートバックスは、配当+株主優待の高利回りに加えて、
今後のモビリティ社会に適応しようとする前向きな姿勢が印象的な企業です。
カー用品業界がどう変化していくか…。
そして、オートバックスがどのように進化・対応していくのか…。
その歩みを、見守っていきたいと思います。