S&P500に忍び寄る「市場の恐怖」— VIXとRSIから見る現在の局面
今回ご紹介するのは、米国株の代表指数 S&P500 に、
市場心理を表す VIX(恐怖指数) と、
買われすぎ・売られすぎを示す RSI(相対力指数) を重ねたチャートです。
今回はこのチャートをもとに、
現在の市場の状態をテクニカルの視点から整理してみたいと思います。
VIX(恐怖指数)とは?
VIXとは、正式には ボラティリティ指数 と呼ばれる指標です。
市場が将来どの程度の「価格の揺れ」を予想しているかを表しています。
投資家の間では、よく 「恐怖指数」 と呼ばれます。
一般的な目安は次の通りです。
通常時
- 10〜20程度で推移
- 市場は比較的落ち着いた状態
警戒時
- 30を超える
- 市場に不安やパニックが広がりやすい状態
つまり、
VIXが急上昇する時は、多くの投資家が恐怖を感じている瞬間
と言えます。
RSI(相対力指数)とは?
もう一つの指標が RSI(Relative Strength Index) です。
これは、
株価が「買われすぎ」なのか「売られすぎ」なのかを
0〜100の数値で表すテクニカル指標です。
一般的な目安はこちらです。
70以上
- 買われすぎ
- そろそろ下落(反転)する可能性
30以下
- 売られすぎ
- 反発して上昇する可能性
投資家の心理が極端に傾いたとき、
RSIは非常にわかりやすい形でそれを示してくれます。
過去の大きなショックではどうだったのか?
チャートを振り返ると、
市場の大きな転換点では、この2つの指標が同時に強く反応しています。

出典:TradingView
コロナショック
2020年のコロナショックでは、
- VIXが垂直に立ち上がり
- 60を超えて歴史的な水準まで急騰しました。
同時に、
RSIも一気に 30を大きく割り込む「極端な売られすぎ」 を記録しています。
市場が恐怖に包まれ、
投資家が一斉に売りに走った様子が、
このチャートからもはっきりと読み取れます。
トランプ関税ショック
最近の トランプ関税による市場の動揺でも、
似たような動きが見られました。
- VIXが急上昇
- RSIが急落
つまり、
市場心理の急激な悪化
が、テクニカル指標にもそのまま表れているわけです。
そして現在の状況
ここで、いまの市場を見てみると、
- VIXは30を超える水準まで上昇
- RSIも30に迫る勢い
となっています。
これは、テクニカル的には
市場が重要な局面に差し掛かっている
ことを示しています。
S&P500の下値はどこか?テクニカルから見える「3つのサポートライン」
株式市場が下落局面に入ると、
多くの投資家が同じ疑問を抱きます。
「いったい、どこまで下がるのか?」
もちろん、未来を正確に予測することは誰にもできません。
今回は、S&P500のチャートに引いた
- 水平線(サポートライン)
- 上昇トレンドライン
これらをもとに、
テクニカル的に想定できる3つの下値シナリオを整理してみました。

出典:TradingView
① 直近の節目:6,154ポイント付近
まず最初に意識されるのが、
6,154ポイント付近のラインです。
ここは、チャート上に引いた
一番上の青い水平線にあたります。
2025年の中盤に形成された戻り高値であり、
テクニカルの世界ではよく知られる
レジスタンス → サポート転換
が起きやすいポイントです。
つまり、以前は上値を抑えていた価格帯が、
今度は 下値を支えるラインとして機能する可能性があります。
この水準までの調整は、
直近高値(約7,000ポイント)から約12%の下落
に相当します。
米国株の歴史を振り返ると、
この程度の調整は比較的よく見られる範囲です。
② トレンド支持線:5,600ポイントあたり
次に意識されるのが、
5,600ポイント付近です。
ここには、2023年末から続いている
右肩上がりのトレンドラインが通っています。
長期の上昇相場では、
このような斜めのトレンドラインが
市場の背骨のような役割を果たします。
もしこのラインで反発すれば、
「長期的な上昇トレンドはまだ健在」
と判断される可能性が高くなります。
ただし、この水準までの下落は
高値から約20%の調整
となります。
つまり、この上昇トレンドラインを下回ると弱気相場入りとなり、
かなり重要な分岐点になります。
③ 歴史的サポート:4,925ポイント
そして最後のシナリオが、
4,925ポイント付近
です。
ここはチャート下方に引いた
太い水平ラインにあたります。
この水準は、
2025年初頭の急落時に底を打った価格帯であり、
市場参加者の記憶にも残る
心理的な節目となっています。
このラインまで下落する場合、
高値から約30%の下落
となり、
- 大きな金融ショック
- 景気後退
- 金融危機
などが重なった 「暴落レベル」 の動きと言えるでしょう。
市場はいつも「悲観」と「楽観」を行き来する
株式市場は、長い歴史の中で
- ITバブル崩壊
- リーマンショック
- コロナショック
など、数多くの試練を経験してきました。
そしてそのたびに、
市場は深く落ち込みながらも、
時間をかけて回復してきました。
今、私たちが見ている下落も、
その長い歴史の一場面なのかもしれません。
今回紹介したこの3つの水準となるのか、
はたまた、もっと下落するのか、注目していきたいと思います。
※投資は自己責任となります。





